2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ナチスの経済政策(1935年当時の調査)07

第二項 農産物自給の爲の保護政策 (1)農産物保護の一般化 -農産物の自給政策、即ちナチスのアウタルキーの理想は、リスト以来の伝統を持つドイツに於いては戦後特に著しくなったことは前述の如くである。この爲に従来採られた政策は農業保護関税政策によ…

ナチスの経済政策(1935年当時の調査)06

第四章 農業政策 第一節 ナチスに於ける農業問題の地位 ナチスの新ドイツに於ける経済を最もナチス流に特徴づけるものは経済政策の重点を農業局面に置いた事にある。これはナチスの政治的地盤が中間経済層、就中農民に存して居た点からして当然の事であろう…

ナチスの経済政策(1935年当時の調査)05

第四節 各種労働政策立法 ナチスの労働政策目標は、その綱領にも見られる如く「階級イデオロギーの打破」「企業家並びに労働者の単一戦線の樹立」によって、より良き社会秩序たる「職分協同体的社会秩序」を建設せんとするにある。このイデーは決して社会主…

ナチスの経済政策(1935年当時の調査)04

第三章 労働政策 本章に於いて取り扱う労働政策は主としてナチスの失業対策に関するものであるが、これ独り労働者階級のみに対するものでなく、広くドイツ産業部面全般に対する施設でもある。従って斯かる失業対策の意義より見て之を労働政策として取り扱う…

ナチスの経済政策(1935年当時の調査)03

第二章 ナチスの経済概念 ドイツの経済政策を云々する為には、これが遂行者たるナチスの経済観念を一応知ることを便宜とする。ナチスの経済観念は、その本質に於いてよし誤って居るにしても、ともかく従来我々が学んだ経済観念に対して一応の批判を与えて居…

ナチスの経済政策(1935年当時の調査)02

第二節 世界恐慌とドイツの政治機構 前述の如き経済機構の変質に伴い、その延長であり、集中的表現たる、ドイツの政治機構は如何なる変化を発見したか。恐慌後におけるドイツ正常を詳細に理解するには一応遡ってワイマール憲法創設当時のドイツを省みるの必…

ナチスの経済政策(1935年当時の調査)01

経済資料通巻第195 ナチスの経済政策 東亞経済調査局編 1935年 凡例 一、本書はナチス政府成立後のドイツ経済政策の重要事項を、同政府発布の法令に基づいて記述したものであり、その期間は主として1933年1月より1934年12月に亙る事項に属する 一、本書は全…

“国家社会主義” ドイツの実相

既にお気づきの読者も多いと思いますが、私はある主張をするために、或る本の一部を抜き書きして自分の主張を正当化することの危険をよく知って居り、そのため、長編の本でも私が言いたいことを言っている部分、そうでない部分も含めてすべてを公開しようと…