世界の猶太人網(ヘンリーフォード著・包荒子解説)24

全猶太人の一致

最近或る著名なる雑誌が「猶太人は公的生活の各仕事に於て有力者となって居る」という事実に準拠して、支配的地位にある猶太人達が、共通の世界綱領中に存在して居ることは不可能のことであると説明したことがあった。資本家、労働組合其の他過激的団体の牛耳を取るものに多数の猶太人が居る。又英國の司法機関もソヴィエト露國の主犯も共に猶太人である。斯の如く各種雑多の意見を代表する彼等が、能く結合一致しありとは如何にして言い得よう、と。

猶太人の一般統一及び全体の共同目的については第九議定に次の如く確言されて居る。

「一切を包容する恐惶(テロル)は吾々より生ずる。各種各様の思想や主義を持つ人々が、吾人に忠勤を抜きんでて居る、即ち君主制復興者、煽動政治家、社会主義者共産主義者及びあらゆる空想家である。吾々は凡ての人々に仕事の軛を着けた。彼等は各々自分の立場から政権の最後の残りを取り毀し(こわし)、凡ての整然たる秩序を破壊することに努力して居る。此の運動に依って各國は困憊して居り、彼等は平安を祈願し、平和の爲には一切を犠牲とすることを辞せないが、併し吾々は彼等が公然低頭して、國際最高政府を承認しない中は、決して平和を与えないであろう」

世界に対する基礎的観念

又第十議定は「諸思想の力」を述べて曰く、

「吾人が自由と言う毒薬を國家機関に注入した結果、その全政体に変化を来たした」と。

これ等の諸議定の世界に対する基礎的観念は「思想と言うものは之を用いる時は最も有効なる毒薬となるのである」と言うにある。此の議定書の著者はリベラリズムを信ずるものでもなければ又デモクラシーを信ずるものでもない。彼は唯常に斯かる思想を毒薬として宣伝使用するの計画を立て、之に依って人間社会を破壊して、相互に相反目敵視する数団に分裂せしめ、共同の基礎的観念の力を無数の意見によって破壊しようとするものである。此の「思想」と言う毒薬こそ彼等の最も信頼する武器であるのだ。

思想を右の如く使用するという計画は、教育の上にも及んで居る。即ち第九議定に
「吾々は吾人に解り切っている虚偽の学理や主義を非猶太青年に宣伝教育し、之を馬鹿にして引き廻し堕落させた」と。

又家庭の生活に関しては第十議定に次の如く述べて居る。
「凡ての人々に自覚の観念を訓致し、非猶太人の家庭とその教育的価値を破壊すると」

マルクス主義ニーチェ主義

次に思慮深き読者の熟慮と観察とに対し材料を提供しよう。第二議定に曰く
「或る時期まで彼等が歓楽に耽ろうと、或いは新歓楽の空想に生きようと、或いは又過去の追憶に耽ろうと勝手にするがよい。吾人が科学(理論)として彼等に鼓吹した所のものをして、彼等の爲大いなる役割を演ぜしめよ。此の目的を以て吾々は印刷物を利用して絶えず科学に対する盲目的信念を鼓吹しなければならない」

「吾人の仕組んだダーウィン主義マルクス主義及びニーチェ主義の成功に注意せよ。これ等の主義の非猶太人心に及ぼす破壊的価値は、少なくも吾人に取っては明瞭ではないか」

議定書が提示された時代に於て、既に非猶太人社会の分裂及び破壊が着々進捗しつつあったことは、議定書の各文面に依って自ら了解される所であるが、吾人の記憶せねばならないことは、此の議定書なるものは、建議された計画に対し、援助支持を求めるものではなくして、古代より充実の道程にあった計画の進捗を報道したものであることである。議定書の内容には将来為すべきことと共にすでに実現した事柄を無数に羅列してある。実に人類社会の破壊行為は1896年に、換言すれば議定書即ち神託が告知された時代に十分進行して居ったのである。

先ず精神的に次に経済的に

更に世人が注意すべきことは、議定書にある明確なる目的は、決して非猶太人を根絶しようというのではなくして、之を征服しようとするにあることである。即ち先ずその第一着手としては、議定書の所謂目に見えない支配下に非猶太人を征服し、終局に於ては政情の変化に依って、目に見えない力が或る一人者を世界支配者と為し、此の支配によって世界の大統領又は世界の専制君主の政庁を創設しようとするにあるのである。議定書には非猶太人の征服は可能である、これが為最初は先ず精神的に征服を為し、後経済的に之を征服するものであると示してある。

人類社会の分裂作用

議定書が出来た当時に於て、人類社会の分裂の作用が如何に進捗しつつあったか、第五議定書を見れば明らかに之を知ることが出来る。即ち

「一時は非猶太人の全世界連衡が吾人を統御することが出来ようが、併し此の点に於ても彼等相互間の抜き取ることの出来ない紛糾の深き根が吾人を保証する。又吾人は非猶太人の個人的及び國家的利害と、宗教的及び種族的憎悪とを二十世紀間彼等の心中に扶植し相互に対立反目させた」と。

非猶太人間に於ける闘争、キリスト教徒間に於ける闘争が絶えざる限り、右の所説は絶対に真である。吾人は現に米國民についてすら、その個人上の利害及び國民的の利害の不一致が『宗教上の憎悪心及び人種上の反感』に起因するものであることを認めるものである。さりながら斯の如きこと総てに対して共通の原因ありとは何人が想像し得よう。又斯かる任務に努力する個人または団体ありとは誰が考え得よう、実に驚嘆すべきことではないか。而も議定書には「何れの國家と雖も吾々に反抗することが出来ない様にしてある」と書かれてある。此の議定書が猶太人の手になったものであるかどうかは別としても、兎に角非猶太人の現状は、方(まさ)に議定書の所説と符節を合する如きものあるを如何せん。

投機的に立脚する経済組織

然れども啻に(ただに)右の如きに止まらず、更に更に深刻なる分裂作用が計画されて居り、しかもこの計画が進捗中にあるという兆候すら存在して居る。猶太人の指導の下に、非猶太人の下層階級が同じく非猶太人の上流階級に向かって反抗した所の状態は、之を露國に見ることが出来る。第四議定には投機に立脚する経済組織が、國民に及ぼす効果について述べて居る。

「…驚くべき冷酷な、そして無慙(むざん)な社会を形造る、否既に作り上げてしまった。これらの社会は高等政治と宗教とを全く厭忌し、社会を指導するものは唯打算即ち黄金のみとなり、黄金が与える所の物質的快楽の爲に、黄金のみを崇拝することになる。斯うなってくると、善に仕える為でなく、又富の爲でもなく、単に特権者に対する憎しみから、非猶太人の下層階級は、吾人の後ろに従って、吾々の権力上の競争者たる非猶太人の上流者に反抗して行くのである」と。

若し斯様な戰が今日起るとすれば、非猶太人社会に対する非猶太人革命家の首魁は、必ずや猶太人であろう。猶太人は既に指導者の位置を占めて居る。之は啻に(ただに)露國に於てばかりではない、合衆國に於ても亦然りである。

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