世界の猶太人網(ヘンリーフォード著・包荒子解説)23

理論と約束

これ等の議定書のうちに記されてある所の、人間の本質に関する猶太人の評価に基づいて、人間社会を粉砕することは一茶飯事に過ぎないことである。即ち其の評価に曰く「単に約束を実行と思惟するのは人間の天性である」と。幾世紀を通じ人間を左右支配した所の幾多の夢想、妄想、空理等を概観する時は、何人も此の言葉の真理であることを疑うことが出来ない。議定書が言うのも亦此れに外ならないのである。人間社会は理論の起源も結果も共に之を穿鑿しようとはしない。其の理論が理想的で蝶の如く美しければ皆之に執着する。人間の精神は新たに現出する理論に対しては其の外観を以て直ぐに其の本質であると思惟するの傾向を持って居る。故に実験に基づく経験は、常に理論に対して殆ど新発見であるかの様に見えるのである。

斯くて新たなる理論は次から次へと群衆の中に投ぜられた。そして結局各理論は実行不可能なものであることが発見され非難と共に放棄された、併しながら其の結果に至っては常に議定書の計画通りであった、即ち一つの理論が非難を以て放棄されるや、社会は以前にも増して一層混乱を来たし、この理論の極まりない弊害に対しては殆ど策の施しようもなかった。即ち各種國體(国体)は、常に其の自ら求める幸福を与えようと約束する理論の犠牲となり、且つ其の幸福は与えられずして失敗の後尚残存するものは愈々混乱を加えた、斯くて益々社会は破壊されて行く。世上最早真正なる輿論は存在して居ない、不信と分裂は随所に見受けられるようになった。然しながら人々がこの大混乱の渦中にある間に、一人泰然として分裂せず此の社会の混乱に乗じて自ら欲する所を獲得する一団があるのである。是議定書の要求する所であって、現時世界中に流通する破壊的諸理論は其の起源を猶太人に発するものであることは自ら明瞭である。又分裂破壊することなく現存し、人間社会の運命を顧慮することなく自ら進むべき方向と進路とを知って之を進む唯一の団体は、是猶太人団なることも亦議定書に依って了解し得られる所である。

破壊と進歩

凡そ理論の中最も危険なるものは、新たに投ぜられた理論の起こりを説明しつつ、これに伴う社会の破壊を之と自然的に結び付ける理論である。即ち彼等は曰く『是即ち進歩の示す特徴なり』と。若し果たしてそれが進歩であるならば、それは崩壊の道への進歩のみ。吾人の祖先が風車又は水車を用いたる所に於て、吾人が今日モーターを利用し居ればとて、是が実際の進歩であるとは断定し得ない。真の進歩を認める為には、該車輪は吾人を何處に導くかということを見ねばならない。即ち風車、水車等の吾人に及ぼす効果はどうであろうか? 水車社会及び風車社会は今日のものよりも良好であったか又不良であったか? 彼等社会は慣習及び徳義という点に於て、今日よりも良く統一されて居ったか? 彼等の社会は今日よりも法律を尊敬すること大であったか? 彼等社会は今日よりも、より高尚にして、より鞏固なる性格を達成したか? ということを見なければならない。

総ての不安、騒擾、変化、総ての価値の変動から、一層優良なる新しき人道が開発すべし、という現代の攪乱的理論は、地平線上如何なる事実に依っても証明することが出来ない。この理論の明白なる目的は、否定することの出来ない悪事に、唯々表面上何か一抹の善を加えんとするにあるのみ。破壊を以て善にして有益であると説明する諸理論は、皆これと同一の根源から来たものである。総て経済科学は、其の保守的なると急進的なると又資本主義的なると虚無的なるとを問わず、悉く猶太人に起源を有して居るものである。是議定書の宣言する所であって、しかも是は幾多の事実により証明されて居る所である。

今や此の事は全く完成された而も行為に依らずして言論に依って完成された。世界に於ける言葉のブローカー、即ち彼等仲間以外の世間との交渉に於て言論を行為と思わしめる所の人々は、疑いもなく吾人が本書に於て論じて居るインターナショナルの猶太人である。彼等の哲学と方法は議定書に掲げられてある。

自由主義

次に其の例証を挙げて見よう。第一議定に曰く
「政治の自由は理想であって、実際的のものではない。若しも我が党が政権を掌握して居る所の他の党を倒そうと思ったならば、理想的の欺瞞を用いて自党に民力を引き入れることが必要であるが、其の時には此の自由の理想を甘く利用し得なければならない」

「若しも此の時に政敵自身が自由主義リベラリズム)と名づけられる所の自由の理想にかぶれるならば、政敵は此の理想の爲に自己の勢力を減退するから之を倒すことは容易くなる」

政治の秘訣

第五議定に曰く
輿論を掌握する為には、非猶太人が迷園に姿を没する迄は各方面から出来るだけ色々の反論を主張して、政治問題については何等の意見も持たぬ方がましである、と思う程輿論を迷路に立たせることが必要である。元来政治問題なるものは、一般の人々が知る必要なく、人々を指導する者のみが承知して居るべきものである -是が第一の秘訣である。

政治に成功する為の第二の秘訣は、人民の欠点、習慣、欲望及び一般生活の方式を各種各様に増加し、其の渾沌たる中にあって、何人も其の選択に苦しみ、之が為人々が相互に全く了解することが出来ないようにするにある。又此の方法はあらゆる党派に軋轢の種子を蒔き、吾人に征服されることを欲しない一切の公衆力を粉砕し、且つ吾々の事業に対して些少なりとも妨害を与え得る所の個人的独創性を無気力ならしめるに役立つのである」

第十三議定に曰く
凡て之に依って諸君は、群衆の賛同を得つつ行くことに依って初めて我が機関の運行を容易にして行くことが出来るのであるという事を見、又行為に依ってではなく各種の問題に関して吾人の放った言論に依って、吾々は賛同を得るのであるという事を認めることが出来たであろう。それで我が一切の政策に於ては、一般の幸福に資する確信を以て期待に向かうものであると、吾々は常に宣伝する」

「甚だ穏やかならぬ人々を政治問題の考えより遠ざける為、吾々は今恰も新政治問題のようにして工業問題を起こして居る、此の競技場で彼等は悪魔に魅せられるがいい!」と。
(望むらくは読者よ、眼を議定書のこれら細部に放つと同時に心眼を開いて過去数年間の実生活及び思想上の発達に留意せよ)

「尚吾々は彼等が何か考えない様に享楽や、遊戯や、娯楽や、性欲や、民衆倶楽部などを設けて彼等を牽制する…」

「間もなく吾人は新聞雑誌に依って各種各様の運動、芸術の競技を提議する、即ちこれらの趣味は吾々が彼等と戦わねばならない諸問題から人心を徹底的に牽制する。そうすると人々は次第に独立の思索から離れて吾人と共鳴する、何故ならば思想の真傾向を提出するのは吾人許りであるからである… 之を提出するのは、吾々の仲間のように見えない人々を経てやるのである」と。

右の綱領内には明確に『自由主義』の理論を散布する其の目的は、那辺にあるかということが断言されて居る。これ等の理論の主なる代表者は、猶太人の作家、詩人、猶太教宣教師、猶太人社会、猶太人勢力なることは言う迄もない。尚同議定に曰く

「自由の空想家の役目は、吾々の政権が承認される時に終了する。其れ迄は彼等は吾人に忠勤を抜きんでるのである、その後尚吾人は、如何にも進歩的な新しい空想的理論の色々な発見に人々を仕向ける。見よ、吾人は脳味噌の足らない非猶太人に進歩と言うことを利用して成功したではないか」と。

本綱領に於ては、実際に人類の精神を混乱せしめ、衰退せしめ、且つ平凡ならしめる所の完全無欠なる計画が掲げられてある。若し吾人にして十分なる経験がなかったならば、尊敬すべき地位にあり、且つ一見それと判定し得ない様な人々が、この計画の達成に活動して居ることは到底理解し得ぬ所である。

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