女イルミナティ05

研究者の中には、秘教の秘密をヴァイスハウプトに洩らし、イルミナティを設立するのを始めさせたのは、(コルマーKolmerと言う偽名で動いていた)黒い貴族の一人シャルル・ド・ロレーヌであったと信じる者もいる。そして、この巧みに身をかわすシャルルは平民ではなかった。彼は本当の名門の家系(Blue-blood)であった。であるから、イルミナティ君主制に反対であったと言うのは笑い話である。彼らが反対していた君主や貴族は、自分たちの支配下に居なかった家系と、その不実な同胞の構成員でなかった家系だけであった。ヴァイスハウプトの次席司令官のクニッゲ男爵はもう一人の名門の家系(Blue-blood)であった。

面白いことに、イルミナティの中で取得できる最も高い階級は「王」を意味するREXという肩書を持つ。反王制が想定されるカバルの最高入会者に授けられるにしては妙な肩書である、そう思わないであろうか?

勿論、この王が指しているのは、アクエンアテン、光の主以外の何者でもない。その代りとしては、ラルフ・エリスが信じるように、それはイザス王でも、聖書のイエスでも、ナザレ派*の首領でも、その祖先がセト-アテン信仰者であれば誰でも良い。(これについて詳しくは論説4をどうぞ:http://www.femaleilluminati.com/article-4.html
*ナザレ派は、1世紀のユダヤ教における初期のキリスト教宗派であった。この用語の最初の使用は新約聖書使徒言行録に見られる。

イエズス会、メーソン、薔薇十字団、マルティニスト会*、イルミナティなどは厳格に階級組織であることは決して疑わないようにしよう。これはこれ等の結社の上級結社員はその秘儀を新米の志願者に分け与えることを全く望んでいないからである。ヴァイスハウプト自身が次の様に述べている。
*マルティニスト会は、18世紀にマルティネス・ド・パスカーリによって設立された“エリュ・コーエン”として知られている組織。 マルティニスト会は、入門儀式形式の組織で、基本的にはユダヤキリスト教神秘主義に基づく道徳的騎士道を教えた。

「何もとりえのない人間はスコットランドの騎士のままである。しかし、特に勤勉なまとめ役、観察者、働き手ならば僧侶となる…その(僧侶の)中で高い思索的知恵者がいればそのものは賢者(Magi)になる。この者達はより高い哲学的系統を収集し、整理し、人民の(表向きの)宗教に取り組む。その宗教は結社が次に世界に与えるものなのである。これらの高い天才たちが更に世界を統治することも出来るなら、その者たちは摂政になるのである。」

そう、ヴァイスハウプト自身のことばは我々に事の真相への手掛かりを与えてくれる。それは、世界を「統治(支配)」することであり、世界を「救う」ことではない。こんなに明示してくれるとは彼は良い人だろう(皮肉の反語)。

然し、上級のイルミナティ結社員は「摂政」の肩書を与えられると言うことも、それが一体何を意味するかを理解するまでは、また注意が必要である。

実際、テンプル騎士団イルミナティの高級結社員はそれが、好都合な策略だったので、単に反王制の立場を取った。それは彼らの行きたい先に彼らを到着させた。この手の結社は非常にカメレオンの様(に変身するの)である。彼らは自分たちの敵を知り、その敵をどのようにして破壊するかを知っている。彼らはどのように誘導して好意を勝ち取るか心得ている。彼らは本物の敵の集団が自分たちに立ち向かってくることを防ぐために、どのようにして偽の敵の集団を作り、維持するかを心得ている。この戦術は果てしなく時の権力者に役立ってきた。彼らが18世紀に打ち出した宣伝工作は、世界中の富と知識を持った叛逆的な若者を惹き付けるように巧妙に考えられて居た。結局のところ、秘密結社は愚か者ばかりで満たされるようなことは望まないのだ。

この考えはつまり、そのような(優れた)人間が、ヨーロッパや中東を通じて急速に拡大する本物の反対派の動きに加わらないようにするために、引きつけて置くことなのである。若い理想主義的で自由を愛する裕福な王族や貴族の若者たちを誘惑するためにイルミナティは巧妙に政治的進歩主義と道徳的放蕩主義を公言した。新しい採用者は不可避的に彼らの偃師(えんし:人形遣い)の支配下に下っている。影響されやすい種類の人間は成功裏に教化されたが、自分たちがカモにされ騙されていると感じる疑い深い過激派は職業的(社会的)に、或いは肉体的にすら暗殺された。

何世代にも亘る権謀術数に長けた(マキアヴェリ的)策動の後、イルミナティ代理人は、あらゆる宗教、政治、企業の組織と施設に定着し、自分たちの邪悪な企み(課題)に都合よく世界の出来事の方向性を変えることに一心不乱なのである。警告が地上で最も高潔なところから出されたけれども、人類がこの策謀に気づかされたのは漸く、比較的最近になってからのことである。明らかに我々がこれらの血に塗れた犯罪貴族と支配の建築者を成功裡に破壊するまでには、未だ時間がかかりそうである。

自由主義リベラリズム)と言えば、それは彼らの代理人が(人知れず)政界に入り込む完璧な口実として役立った。それはこれ等代理人が連合国(国連)やEUなどのような複数の国家を巻き込む組織の創造に向けて世界の政府と大衆をおだてて唆(そそのか)す手助けをした。実際、彼らの政治的なものの見方と目標は彼らの存在と勤勉の鍵であると言える。(詳しくは論説4をどうぞ:http://www.femaleilluminati.com/article-4.html

何れにしても、テンプル騎士団イエズス会イルミナティの繋がりに関わりなく、イルミナティの不実な(裏表のある)結社が1700年代に始まったと考えるのは正しくない。また、メーソンが17世紀か18世紀に始まったと考えるのも同様に正しくない。既に述べたように、アルンブラドス派は15世紀に遡り、テンプル騎士団ホスピタル騎士団、薔薇十字会など、それに先立つ他の結社も存在するのである。フランスの5世紀まで遡る教会や記念碑はメーソンの印を指し示し、学者は古代エジプトの美術作品や建築物にメーソンの記号を見出して来た。メーソンの様式の前掛けは確かに初期のファラオやフェニキア人も纏った。テンプル騎士団のような十字架はシュメールやバビロニアの位の高い人の記章に見られる。更に、メーソン結社の古さを強調して来た多くのメーソンの作家がいる。そしてもっと重要なことは、これらの結社によって多面的に使われて来た記号 ―棺、三角形、ピラミッド、五角形、六角形、二つの柱、市松模様の床、コンパス、Gの文字など― は、疑問の余地なく、古代のものである。この特有な記号は、明かして理解するべき「謎」を隠し、その謎は古代エジプトやそれ以前に繋がっているのである。

「スミスは、ブリテン島におけるメーソンの古さに関する章で次の様に述べている:『メーソンの歴史を包む不明瞭さにもかかわらず、その国では様々な状況が、フリーメーソンはキリストを遡る約1030年前にブリテン島にもたらされたことの証明に一役買っている。』」―トマス・ペイン*著「フリーメーソンの起源」
*Thomas Paine(1737~1809)はイギリス出身のアメリカ合衆国の哲学者、政治活動家、政治理論家、革命思想家。「アメリカ建国の父」の一人。

  

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ヴァチカンに保存される二体のアイオーン像 

「ローマの邸宅から出土し、今はヴァチカンに保存されているアイオーン(パネース)像(紀元1世紀)はメーソン様式の前掛け以外、翼を持った裸体として描かれている」―マイケル・ハワード著「オカルト(秘教)の陰謀Occult Conspiracy」

「…フリーメーソンはまた、今でも存在する記録が示すように、1300年代にも存在していたと見られる。記録にはレギアス・クック文書も含まれる」―サンフォード・ホルスト*著「秘密に誓ってSworn in Secret」
*Sanford Holst(1946~)は、アメリカの歴史・健康・生活様式に関する著作家。特にフェニキアの近著で有名。その他にも古代史に関する著作がある。

フリーメーソンの記号はその遺産をよく反映しており、それは遥か古代に遡る」―同上

「…その問題について注意深く見た者は誰でも、テンプル騎士団が、色々な形で、1307年を越して非常に決定的に生き残っただけでなく、フリーメーソンもまた、色々な形で18世紀をかなり遡って存在していた、と言う結論に最初から達するに違いない。」―バトラーとデフォー著「明かされたテンプル騎士団The Knight Templar Revealed」

 

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棺は最も明白なメーソンの記号の一つであり、世界中のメーソンに知られている。それは、実は、キリスト教の時代を千年も、或いは、少なくとも紀元70年の猶太のソロモン神殿が破壊される時代まで遡る可能性がある出来事を指すものである。それはメーソンの聖像学とくれば、大かた同じ話である。(詳しくはこちら:http://www.astrotheologyzone.com/the-jesus-fraud-4.html

 

 

イルミナティは決して西欧に限った現象でないことを認識することも大切である。研究者の中にはテンプル騎士団は非常に大きく中東や東洋*のオカルト結社と伝統に影響されていて、それがあまりにも大きいので、内密であれば喜んでキリスト教を棄て去るであろうと信じている者もいる。情報源によってはこれが何故彼らの親結社であるシオン修道会テンプル騎士団を1188年に破門したかを説明するとしている。それはまたテンプル騎士団が君臨する教皇とフランス国王によって1314年に公式に禁止された理由でもあるかも知れない。(この敵対については論説4をご覧くださいhttp://www.femaleilluminati.com/article-4.html
*この場合、東洋とは恐らくペルシャからせいぜい印度までの東方(印度以東は含まない)と思われる。―燈照隅コメント

 

東方のイルミナティドゥルーズ派、イスマーイール派、暗殺教団、シャブタイ派、フランク主義者、七イマーム派などを含み、これら自体が、古代エジプトまで遡る、超秘密のセト-アテン信仰者の黒いロッジの支部である。シャブタイ派と(後のフランク主義者のような)七イマーム派は公式には猶太人と隠れ猶太人(crypto-Jewish)のオカルト(秘教)主義者によって設立されたが、彼らの本当の起源は、前述の古代の捉えどころのないゲオーニーム(メルキゼデクの結社)にある。重要なことは、ゲオーニーム ―それ自身が高位のセト-アテン信仰者― が自分たち自身のことを指してラァス・ジャールート*(Exilarchs)或いは光の君主としていることである。
*ラァス・ジャールートは、パルティア、ササニド、アッバース朝の時代から1258年にモンゴルがバグダッドに侵攻するまでの間、政治的展開による断続はあったが、メソポタミアユダヤ人コミュニティのリーダーであった。