文明のアイルランド起源 HPより15

芸術家が明かしてくれるもの

 

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洗礼なるものは所謂「猶太人」には知られて居なかった。しかしそれは、アメン信仰者、ドルイド、その他の古代の達人には知られていた。神聖なる川で身を洗う、或いは浸すことは、女神の伝統に関連があり、女性の入会の儀式であった。例えば、ゼウスの配偶者でギリシャの至高の女神であるヘラHeraは、自身の純血と神の「処女性」を回復するために毎年川で水浴びをした。

画家は、鳩、川、樹木を描く。右側には三人の人物が立っている。3と言う数字はドルイドを表す。画家は殆どのキリスト教徒が(以前の)異教について知って居るべきでないことを知っていた。川はエリダヌスの星座を表した可能性がある。又は、双子座と射手座の間を流れる銀河であったかもしれない。その場合、イエスヨハネは双子座の「双子」を表す者であろう。

 

「水路で洗う(浄める)ことを通して異教徒が何か悪名高きイシス又はミトラの ―何か神聖な儀式を伝授すること。神々自身も同様に洗う(浄める)ことを讃えるのである。」
―テルトゥリアヌス著「洗礼について」

 

「祓えの水の使用はバビロニアアッシリア、エジプト、ギリシャ、ローマその他に見られる」
カトリック百科事典(洗礼の項)

 

「…ファラオ時代の全ての宗教的儀式はそれが、神々であろうと、死んだ貴族であろうと、生きている王であろうと、それに代わって執り行うことは、何かお祓い(浄め)の儀式行為で始められた。」
―リチャード・A・ガブリエル著「祖先の神々Gods of the Fathers」

 

 

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タロットの大アルカナから二枚のカード。左のカードは射手座の印を示し、右側は水瓶座である。それぞれの絵で人物は一つの足を地面に、もう一方を水中にしている(これを上図の絵のキリストの像と比べて見よう)。この図は左が射手座で右が水瓶座を表す。前者は蠍座の水の印の後で山羊座の地の印の前に来る。後者は山羊座の地の印の後で魚座の水の印の前に来る。画家は、言葉の隠れた意味合いで二つの印の占星術上の立場を特異なやり方で示している。換言すると、これらの図は、神秘の伝統の会員にだけ認識可能なオカルトの事実で組み合わされているのである。そしてそういう状況は、猶太キリスト教の聖像や経典でも違いはないのである。

 

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サンドロ・ボッティチェリの「マドンナ」。幼いバプテスマのヨハネが鑑賞者を見つめている様子に注目して欲しい。彼の両腕は暗示的にその胸で交差し、エジプトの神々やファラオの姿勢になっている。これはバプテスマのヨハネが洗礼者アヌビスを土台にしていることを知れば、別に驚くべきことではない。ピクネットやプリンスなどの著作家が発見したように、フリーメーソンテンプル騎士団のような秘密結社によって後見支配者として選ばれた預言者バプテスマのヨハネなのであった。これが、多くの(例えばボッティチェリのような)ルネサンスの芸術家がイエスではなく、ヨハネが十字架を携えている像を描いた理由なのである。(イエスヨハネの議論について詳しくは、ピクネットとプリンス著「テンプル騎士団の黙示録」と、「文明のアイルランド起源」第二巻を参照されたし。)

 

「アヌビス*もまた、ギリシャの神ヘルメスやマーキュリー、エジプトの月の神トートに対応する神…と同等で、神々の使者(預言者)であった。更に、それらのように、その記章がタウ或いはTであるアヌビスは「十字架なしでは済まない」特にエジプトの宗教に於いて最も神聖なシンボルの一つである、命を与えるアンク…「Totが手で持って居る取っ手が付いた十字架は、紛れもなく彼の名前の組み合わせ文字なのである。」
*アヌビスはエジプト神話に登場する冥界の神で、リコポリス(アシュート)の都市の守護神。
―D・M・マードック著「エジプトのキリスト」

 

「教会神父ヒッポリュトスによる脚色の中で…ホルスのイーオン*(時代)は「十字架」を意味するその「第一の称号」スタウロスにより呼ばれる。であるから、古代 ―紀元二世紀の間― 正確にはキリスト教がその足を地につけ始めた頃、エジプトには、ホルスを人格化された十字架とする思想が存在したのである。」
*Aeon(イーオン)は極めて永い霊魂的時代区分のこと。Thelemaの世界観(オカルト)では今は1904年から始まる第三のイーオン、Aeon of Horus(ホルスの時代)に当たるらしい。
―同上

 

 

 

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 大きな建築物の前に見える柱は樹木を表す。多くの円柱の上の付け柱は屡々花の飾りを付けている。右の図では、タロットの大アルカナのアルカナムⅡを見る。付け柱には、Jakin(Jachin)とBoazの頭文字を示す「J」と「B」の文字が刻まれている[1]。円柱には花飾りもある。黒と白の色分けはナイル川の堤を表す。一方の堤は黒い沙漠で、もう一方は白い砂漠である。これら二つの堤はⅡというこのカードの数字によっても表わされている。描かれた尼僧はナイルと関連がある女神イシスを表す。彼女の青い服が水の流れのように流れていることに注目しよう。イシスの背後にはザクロの実がなる生命の樹がある。この果物は「冥界」と女神の胴体に護られた神聖な神秘を象徴する。前出の洗礼の絵では木と神聖な川がある。木はアリアンつまりドルイドにとって神聖であり、また川もそうである。従って、猶太教、キリスト教、メーソンの聖像に木と川を見付けるとそれはいつも剽窃して切り取られた文様であることがわかるのである。

 [1]聖書によると、ボアズとヤチンは、エルサレムで最初の神殿であるソロモン寺院の玄関に立っていた2つの銅、真鍮、または青銅の柱。それらはフリーメーソンとタロットでシンボルとして使用されることがある。

 

カナーン人の女神アスタロスの名は「神聖な木」を意味するが、この訳は冗長である。何故なら近東やヨーロッパの古代の人々にとって全ての木は神聖であったからである。」
―ジョン・ラム・ラッシュ著「彼の姿に、ではない」

 

「『林は神の最初の神殿であった。』とブライアントは言った。林はまた、人類の最初の神々でもあったのだ… ブリテン島のドルイドだけでなく、ギリシャでもアジアのセム系人種も樹木の崇拝者であった。樫(オーク)の巨木や均整の取れた常緑樹は神々であった…『樹木の崇拝は、相当遅い時代になってシリアでのみ消え去った…大きな背の高い木々、それに常緑樹は神としてあがめられた。』とスーリーJules-Auguste Souryは言った。」
―ジョン・E・レムズバーグ著「キリスト」

 

アイルランドではある非常に有名な木、通常イチイの木*がその地域を地盤にしている部族と密接に繋がっている。それらは神聖なものとして維持され、部族の集会所の役割を果たしていた。この慣習は元々異教のものであったが、キリスト教の時代になっても樹木は崇敬の念を以て維持され続けた。キリスト教が導入されたとき、異教の神聖な場所は屡々キリスト教の神聖な場所に変更された。」
*櫟(一位)の木は、日本でも神聖視されている。笏の材料・榊の代用として用いられる。この連載09に既出のように、イチイはドルイドにとって最も神聖な木であったと言われる。
―アレクサンダー・スチュワート著「ハイランド地方の教区・フォーティンゴールの歴史(1928年)」

 

「ヨーロッパのアーリア人の宗教の歴史に於いて樹木の崇拝は重要な位置を占めていた。それ以上自然なことはない… チュートンの「神殿」を意味する語の検証からグリムはゲルマン人の間で最も古い聖域は自然の森林であったことを確実視した… 樹木崇拝はすべてのヨーロッパのアリアン株(系統)の偉大な家系でよく検証できる。」
サー・ジェームズ・ジョージ・フレーザー著「金枝篇

 

 

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本を持つ日暈(天使の輪)のキリスト。彼は山羊の合図をしている。日本の指を上げるしぐさは元々「角のあるもの」を象徴する。これは何か悪魔を表わすものではなかった。単に偉大な牡鹿の神ハーンを表した。カディスCadiz、エーゲ海Aegean、ゴルゴタGolgotha、ギザGizaなどの地名は「山羊goatsの場所」もっと正確には「ゴートgothsの場所」を意味する。つまり、西方からのアリアンである。イエスはゴチック或いはアイルランド語のIesa(Esa)が土台であった。オルフェウスディオニソスバッカスなどの他のヨーロッパの神は西方の原型が土台であった。

 

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ドメニコ・ギルランダイオ作・羊飼いの礼拝。処女マリアの像は夜の空を表す。画家はマドンナの外套の(床と触れる)丸い縁で、黄道の円を暗示している。キリストは乙女座・つまり処女の記号に生まれた太陽である。大工のジョセフは天を仰ぎ見ている。彼は合図を凝視し、ローマ教会によって抑圧された古代のグノーシス派を表している。三種の動物は黄道の印を表している。牡牛は牡牛座(とアメン信仰者とドルイド)、驢馬はかに座、羊は牡羊座(とアテン信仰者)を表している。画面左のせりもち(アーチ)の門は暗号的にドルイド教を示している。ドルイドと言う言葉は「戸口」や「玄関」を意味する。それは我々近代の「扉」を与えてくれる。実際、これが、高位神官ポンティフェックス(教皇を表す)や枢機卿の言葉も意味するところのものである。三人の訪問者(東方の賢者)の一人が子羊を持って居るのは彼らが太陽崇拝カルトの構成員であること、そしておそらくアテン信仰者であることを指摘している。露骨なロマネスク様式のモチーフ(アーチ、コリント式の柱、倒れた柱、大理石の祭壇)は、描かれた聖書の物語が実際に作文された場所を示すために画家が追加したものである。それはユダヤガリラヤではなかった。

 

 

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多くの中世とルネサンスの聖書からの出来事を描いた絵画は、背景に山や高い場所を特徴的に描く。この画家はその絵の中心に山を置くことを選んだ。このモチーフは、神聖な園やもっと正確には、林と同様に、純粋にドルイド的である。

 

 

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この画家は発行体(太陽と月)をそれぞれ十字架の左と右に配した。これは占星・神学的要素を磔刑の物語にもたらした。十字架の下に居る四人はそれならば、四つの黄道の重要点(牡羊、蟹、天秤、山羊)を表すのか?キリストの頭上の風変わりな文字列INRIはIammim、Nour、Ruach、Ibeshah、つまり火、水、気、地の頭文字なのか?イエスは五番目の元素なのか?これらについて詳しくは著者の占星神学と星座の伝説をお読みください。

 

 

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シニョレッリ作「磔刑」。赤毛マグダラのマリアが骸骨の丘の十字架の下で嘆き悲しむ。背景には小山と門が見られる。十字架の下に頭蓋骨が横たわる。この骸骨はメロヴィング朝テンプル騎士団、シトー修道会、カルデアン(Culdee派)を描いていおり、観るものにこの絵が秘教に入会したものだけに理解できる密教的主題を含んでいることを示唆する。マリアの特徴的な赤毛は聖書の伝承が西方起源であると同時にマリアの西方起源も暗示する。赤毛スキタイ人メロヴィング朝の特有の印であった。聖書の詭弁に満ちた文書はメロヴィング朝テンプル騎士団、つまりアテン信仰者お抱えの法学者により作文された。

 

新約聖書のガラテア人は、金髪で青い目のケルト人であった。外典の伝説ではバプテスマのヨハネケルトで、マグダラのマリアはチェルケス人、半分ケルトで半分猶太人であった。」
―J・ラッシュLash著「その姿に、ではなく“Not in His Image”」

 

「常時重要なイシスは実際メリ/メリーMeri/Meryと言う名で知られた女神の一人であった… その女神は愛され、メリーは、「赤毛で非常に愛され女神」或いは「その偉大にも愛された赤毛の女性」を呼び出す不思議なまじないから明らかである。」
―D・M・マードック著「エジプトのキリスト」

 

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アベルとメルキゼデク

聖書に登場する非常に多くの人物(エノク、アブラハム、ノア、ダビデ、ソロモン、アリマセアのジョセフ、ラザラス、マリア、イエスなど)と同様に、メルキゼデクもドルイドの原型が土台であった。両端、画家の木と門の組み込みに注目しよう。この二つは暗号的にアメン信仰とドルイド教を指す。メルキゼデクは伝統的にシェムShemの部族と繋がりがある。その部族は薄い肌色の種で構成されていた。シェムと言う言葉は然しながら恐らくエジプトを意味するケムKhem、又はエジプトの大都市ヘルモポリスを意味するShmnの訛ったものであろう。聖書に登場するメルキゼデクとは、本当はアテン信仰者の王であるファラオ・アクエンアテンを意味するのではないか、と著者は信じる。アテン自身の可能性すらある。そのようなことだから、それはモーゼという名と同じ目的に役立つ。そして、丁度、旧約聖書の話に描かれたようなモーゼと言う人物はいなかったのが明らかなように、我々は聖書が描いているところのメルキゼデクなる存在もなかったと推定することが出来る。どちらの架空の人物もその名ざしされない別の代替物の役割をしている。秘儀に通じたもの、教会の高位の構成員、それに秘密結社の結社員はこれ等の、そして他の偽名によって指されるのが誰かを知っている。この絵ではメルキゼデクの像は太陽暈を持ち、太陽の象徴とみられるものを持って居るが、聖書によるとそれはパンの供物である。アベル牡羊座、つまりアテン信仰者の最も神聖な印を象徴する子羊を持つ。中央の卓は立方体のように見えるように描かれている。それはメーソンの切り石、或いは祭壇である。「卓」の土台にある90度の差し金もまた、メーソンの友愛団体を示している。

 

・メルキゼデクについて詳しくは第二巻の第八章「死海文書」をご覧ください。