敎育敕語畫鑑(教育勅語画鑑)17 國憲ヲ重ンシ國法ニ遵ヒ (帝國議會)

國憲ヲ重ンシ國法ニ遵ヒ (帝國議會)

團體の生活を圓滿に持續させる爲めには、それを目的として規則を定め、各員はそれを遵守して進むべきである。若し之れ無くして各員各自の意志の儘に進む時は、その團體の秩序は亂れ、統制は失はれて遂に破壞されるに至る。

小は家族から、大は國家に至るまで、苟くも人の集團をなしてゐるところには各員が遵守すべき一定の法則があり、各々長を推戴して統制を圓滑ならしめてゐる。

我が國は古來三千年の連綿たる歷史を有してゐる世界に比類無き國柄で、上に天皇を戴く君主國であることは昏言を要するまでもない。而して、我が國には、國民が嚴守しなければならぬ國法がある。明治天皇は敕語に於いて『常ニ國憲ヲ重ンシ國法に遵ヒ』と仰せられ、團體生活の根幹を御垂示になった。

國憲と云ふのは國家の根本法則で、皇室典範及び大日本帝國憲法を指す。國法と云ふのは法律命令等之も廣く國の法則を指したものである。

皇室典範は皇室に關する大法、大日本帝國憲法は、明治天皇が皇祖皇宗の御遺訓に基づかれて、國家の隆昌と國民の福祉とを目的として君民共に永久に遵ふべき大法として明治二十二年二月十一日に發布せられたものである。

此の他に、詔書、敕書、命令、法律等があるが、詔書、敕書は天皇の大權を以て御發しになり、命令は天皇の大權に依って發せられ又發せしめられる法則で、法律は帝國議會の議決を經て天皇の御發しになる法則である。又、此の他閣令や省令や、府縣令等行政機關に委任して公布せしめられるものもあれば、地方團體の自治上の市町村條例等がある。

何れも國法と見做すべきで、法律や閣令、府縣令や、自治の市町村條例等何れも個人の獨斷を以て發せられるものでない。一例を法律に採れば、帝國議會の議決を以て發せられることは前述の通りで、議決をする議員は國民の代表として國民が選擧したものであるから、其の案は國民の案であり、その議決は國民の議決である。立憲政體の心髓は卽ち此にある。

國民自身の作った國法を國民自身が遵守するは云ふまでもないことで、これに反するは自己に背く結果となって、自己自ら自己を責めねばならむ。

帝國議會に席を置いて國の政治に參與する議員は國民の代表であるから、與論の歸趨を究めて善政を布くべき義務があると共に、これを選擧する國民は、公平且つ愼重に選擧すべきである。

從來一部人士に限られてゐた畸型的な選擧は普選法案が實施されて國民の大多數が選擧權を行使し得るやうになったが、之は漸次擴大され、婦人も之に參與するやうになるのも遠き將來ではあるまい。

本圖は、帝國議會開會中の光景を寫したものである。

帝國議會