文明のアイルランド起源 HPより11

イスラエルとイエス(二つのアイルランド語の言葉)

「勿論、イスラエルは存在した!その名前自体は青銅器時代後期のエジプトの石碑の中で既に使われており、カナーンの人々がファラオ・メルエンプタハのパレスチナへの軍事作戦で戦った相手として言及されている。しかし、これは聖書が扱っている所のイスラエルではないのである。
―トーマス・L・トンプソン*著「神話の過去:聖書の考古学とイスラエルの伝説」
*Thomas L. Thompson(1939~)はアメリカ生まれのデンマークの聖書学者であり、神学者。1993年から2009年までコペンハーゲン大学で神学の教授を務め、現在デンマーク在住。

 

イスラエルと所謂「古代イスラエル人」の起源についての真実は「文明のアイルランド起源」の書籍と課程で詳細に議論している。この「イスラエル」と言う言葉は三つの音節から成っている。Is、Ra、Elである。各音節は古代の三大信仰を指すように見られる。それらは、星、太陽、土星信仰である。然しながら、混成された音節はスキタイ人-アテン信仰者とヒクソス-アテン信仰者の間の同盟を指す可能性もある。

「Is」の音節の起源はIesa或いはEsa、即ち古代ドルイドの太陽神であった可能性がある。「Ra」の音節はアメン・ラー神を指す可能性があり、この神は古代エジプトの太陽神であった。そうすると、Israel と言う言葉は二つの太陽神の名前の混合の可能性がある。この場合、接尾辞「el」は、「使者の」或いは「僕の」を意味するかもしれない。古代イスラエル人(Israelite)は従って元々はエスス神(Esus)とラー神(Ra)の使者又は代理人であったことになる。イスラエルと言う言葉は、エジプトのアメン信仰とブリテンスカンジナビアドルイドのあいだに実際に繋がりがあったことを指摘するのである。

「神自身の名前のように族長の英雄の名前は非セム系である…そして近東で、いや実は世界で、最初の知られている文明に遡る。」
―ジョン・アレグロ著「選ばれし人々」
*John Marco Allegro(1923~1988)はイギリスの考古学者で、死海文書学者。その本とラジオ放送を通して死海文書を流行らせた人物。

 

「遺跡からは、王朝時代の極初期に、ラー神と呼ばれるもう一つの太陽神の形が下エジプトで知られ、崇拝されていたことが証明される。その神の起源と古い歴史については何も知られて居らず、彼の名前が意味するところは未だ以て満足のいく説明がなされていない。それはエジプトのものではないように思われる。」
―E・A・ウォリス・バッジ*著「ツタンカーメン:アメン信仰、アテン信仰、エジプトの一神教
*Sir Ernest Alfred Thompson Wallis Budge(1857~1934)は英国の考古学者。古代エジプトアッシリア研究者として大英博物館の責任者を長く務め、多くの業績を残したがその手法については議論を残している。

 

創世記(第32章27~28)には、イスラエルヤコブ(イサクの息子、アブラハムの孫)が「イスラエル」と神に改名された、と書いてある。創世記はまた、彼の双子の兄の名前がエサウであったと伝える。エサウエドムと名付けられ、その意味は「赤い人」であった。実際、このエサウ旧約聖書によると、所謂「エドム人」の始祖である。いずれにしても我々はエサウと言う名前を元々ケルト(スキタイ)と推量できるだろうか?それはゲール、ゴート、アリアンの偉大な首長エスス(Esus)のことなのか?興味深いことに創世記はエサウを狩人の達人と記述する。そしてこの記述は当然、西方の先住民の動物と森の神々であるエススEsusとハーンHerneを思い起こさせる。ヤコブイスラエル)とエサウの双子の兄弟の物語は、異教徒の人々の昔の伝説から取られたように見える。正典外のヨベル書に現れるその異説は、双子のホルスとセト*の間の争いについてのエジプトの物語を強くしのばせている。(*オシリスとセトの間違いか?

ホルスと言う言葉は多くの表し方がある。それはHoros、Heru、Hor、Haなどとしても見つかる。その言葉の意味は「境界」又は「円」を意味する。占星術に於いてはそれは地平線、太陽神が日々、年々通過する境界を指す。時間hour、地平線horizon、星占いhoroscopeはエジプトの太陽神の名前から来た。

ホルスの又の名はIusa或いはIusasである。この「I」の文字を「J」に転換するとJusa或いはJusasとなる。これは聖書のJesusの元である。彼はホルスの一つの変形に過ぎない、そしてそのホルスはアイルランドのIsa、Iesa、Hesusu、Esus 又はEsaの変形なのである。この古代の名前に多くの綴りや発音の変形があるからと言って、それが世界でもっとも有名な太陽神の多くの初期の類型であったという事実に変わりはない。

ケルトのHeus或いはEsusはゴールの謎の神であった。アイルランド式ではAesar、これは火を焚きつける者そして創造者と言う意味である。此処に我々はエトルリアのAesar、エジプトの太陽の牡牛Asi、ペルシャのAser、スカンジナビアのAesir、そしてヒンドゥのAeswarのことを思い起こすのである。バガヴァド・ギーターではこのAeswarのことを「彼はあらゆる死すべきものに内在する」と言う。」
―ジェームス・ボンウィック*著「アイルランドドルイドと古代アイルランドの宗教(1894年)」
*James Bonwick(1817~1906)は英国生まれの歴史教師・教育者。オーストラリアで活躍した。

 

「驚くべき事実は、サドカイの猶太人はメシアと言う名前に一向通じていなかったのに対し、ゴルゴダの丘で記憶に残るような出来事が起こる遥か以前にブリテン島ではこの名前は知られていた、と言うことである。すべてのブリテン人*の口にはそれはよく知られた名前であった。議論の余地のない事実はドルイドがその名前を世界で最初に宣したということだが…ドルイドの僧侶はその聖なる名前をどのようにして遥か以前に知っていたか、と言う問題はそれ自体が謎である。「イエスYesu」と言う名前はドルイドの三位一体説に神格として組み入れられていたのである。」
*キリスト教以前の英国人であるため、Britonをブリテン人と訳した。
―ジョージ・F・ジョウェット*著「失われた使徒たちの劇的出来事(The Drama of the Lost Disciples)」
*George Fuisdale Jowett(1891~1969)は英国生まれのカナダ人ストロングマン、ウェイトリフター、雑誌編集者、作家。全米ウェイトリフティング協会の共同創設者であり、Strengthマガジンの編集者であり、Jowett Instituteの会長でもあった。

 

コンスタンティヌス帝はニケーアに於いて支配的な精神であり、彼は究極新しい神を定めた…ブリテン派を取り込むため、彼は偉大なドルイドの神、ヘスス(Hesus)を東方の救いの神、クリシュナ(クリシュナはサンスクリット語でキリスト)に合体し、そこでヘスス・クリシュナHesus Krishnaを新しいローマの神の正式な名前とするようにした。」
―トニー・ブッシュビー著「真実の磔刑Crucifixion of Truth」

 

パウロはまたイエスのキリストと言う称号に重要な変更をも導入した。福音書Gospelは彼の直属の信者たちが彼を救世主(the Christ)と呼んだと伝え、彼を預言された救世主と見做していることを示した。パウロは絶対的な項を外し、恐らく自分の使命(伝道)をより独特で、猶太人による解釈から距離を離すことを強調するために、イエスを単にキリストと呼び、「救世主」(称号)を名前 ―イエス・キリスト― に変更した…多くの権威者がそれを議論し…パウロはローマの異教の謎の宗派に影響され、しかも彼はそこから自由に思想を借りて来た。」
―ピクネット*とプリンス**著「キリストの仮面」
*Lynn Picknett(1947~)は英国生まれの、超常現象、オカルト、歴史的および宗教的な謎に関する作家、研究者、および講師。
**Clive Princeは、超常現象、オカルト、歴史的および宗教的な謎についての作家、研究者、講師。

 

 

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ファラオを従えたホルス神とオシリス神。イエスと同じように、ファラオは神が作った肉体であった。彼はホルス神の人格化されたものであった。オシリス神は地平線から下の世界に沈んだ後の太陽のことであった。毎朝それが蘇ると、ホルス神、即ち「昇った者」とされた。毎年、太陽が冬至点に達するとそれはオシリス神とされた。それが再び春分まで昇ると再びホルス神となった。春分秋分点に達する太陽は「交錯(on the cross)」つまり「十字架に掛けられる」のである。(これについて詳しくは著者の他の本「天文神学と星座の神話」をお読みいただきたい。)

 

 

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ホルスの古代の異名はイウサIusaまたはイウサスIusasである。「I」の文字を「J」で置き換えると、これはJusa又はJusasとなり、そこからJesusが導かれる。従って、聖書の神の息子はエジプトの天の太陽が土台で、その太陽は、今度は古代ドルイド太陽王の異説なのであった。

 

 

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木を切るエススEsus。彼は聖書のイエスが部分的に土台となっている元々「大工」であった。彼は最も主要なドルイドの神で、その名前は、Esa、Hesa、Isa、Iesa、Iusa、Aesar、などのように多様に表される。彼は間違いなく後の時代のエジプトとキリスト教の大地と太陽の神(オシリスやホルスなどのような)の原型であった。更に、Esusは十字架に掛けられた神で、腕を大きく広げて空中に吊り下げられたように表現された。彼の肉体は槍で突き刺され、そのこぼれた血は大地を若返らせた。彼はタラニスTaranisとベルBelを含めて、ドルイド教の三位一体の一部分であった。ベルはバビロニアではバール神Ba’alとして、カナーンではベルとして見いだされる。彼の名前は「白」或いは「明るい」を意味した。ベルファストベオグラード(Belgrad、白い街)はこの神の名にちなんでいる。ノルマンの伝統ではオディン(Odin)を聖なる樹の近縁に見出すことが出来る。(詳しくはこちら:http://en.wikipedia.org/wiki/Triple_deities

 

エススEsusは旧約聖書ではヤコブの長子エサウとして登場し、新約聖書ではイエスとして、棘の冠を冠って木(の十字架)で吊るされる神の子として登場する。これらの記号やその他のことは西方の古代アリアンに知られていた遥か昔からの神話の題材から取り出されたのであった。

 

 

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この図の左は「死者」を永遠の命に導くホルス。右は、「アリアン人」のキリスト/イウサス/ヘスス/イエサ(Christ/Iusas/Hesus/Iesa)である。イエスの名前は明らかにエジプトの名前Iusa又はIusasとしてのIesaの変形である。「J」の文字は「I」と取り替え出来る。これは、JewやJudahの言葉でも同様である。