ドイツ悪玉論の神話104(完)

                 ********

猶太人は、戦争の紛れもない勝者として挙がって来たが、同時に彼らは、公衆の心に究極の被害者として自分たちを確立する事をうまく成し遂げ、賠償金に何十億ドルもの金額を得る資格を獲得し、一方で、文明の基準に照らして、自分たち自身の侵害する行動と品行に対する批判からは完全に逃れた。彼らがそうすることが出来たのは、ニュースや情報媒体を支配しているからであった。

猶太人が今日に至っても自分たちの事を 猶太人を「迫害」或いは、「殲滅」すらしようとする敵対する多数派(実際、彼らは、イラン、そしてそのことなら更にアラブ世界全体がそうであると主張する)に囲まれた「脅された少数民族」、として位置づけることは完全に馬鹿げている。猶太人はその数の少なさにもかかわらず、今や世界で最も力のある國民である。戦争に勝利してから彼らは、今や消滅したソヴィエト連邦を(財産を略奪し尽くした後で)見捨て、彼らの作戦基地をイスラエル米國に移した。最近の3~40年は、猶太人は米國でエリートの地位に上り詰め、嘗て國を動かしていた伝統的WASP(White Anglo/Saxon Protestant)エリートを完全に締め出した。彼らのあらゆる米國の組織の最高の地位への浸透、彼らのあらゆる専門職での極端な過剰出現、彼らの政府支配、彼らの銀行金融支配、彼らのニュースと娯楽媒体支配、彼らの大学での過剰出現、これらは、ヴァイマル独逸におけるよりもより一層、米國に於いて行き渡っている。例えば、米國の8つのアイヴィーリーグ大学に於いて、6大学までが猶太人の学長を戴いている。しかし、現況はそれよりももっと悪い。この本を書いている時点で、これらのアイヴィーリーグ大学の24人の上級幹部の内、20人が猶太人か猶太人配偶者を持っている。

しかし、彼らが締め出したWASP のエリートとは違い、猶太人は、ケヴィン・マクドナルド教授が彼の猶太人文化についての三部作に於いて呼ぶ、「敵対エリート」となった。古いWASP のエリートは米國の普通の人々への「ノブレス・オブリージュ*」の感覚を決して失わなかった。彼らは、結局、同じ宗教で同じ人種的起源であったし、彼らは仲間の市民全員の全般的な幸福に責任があるという感覚を持ち得た。我々の新しい猶太人エリートはこれとは異なる。彼らは普通の米國人との同一性を感じないで、軽蔑だけを感じ、そして彼らは「猶太人にとって良い事」にしか関わらない。

*ノブレス・オブリージュ(仏: noblesse oblige フランス語: [nɔblɛs ɔbliʒ])とは、直訳すると「高貴さは(義務を)強制する」を意味し、一般的に財産、権力、社会的地位の保持には義務が伴うことを指す。
フランス語の oblige は、動詞 obliger の三人称単数現在形で、目的語を伴わない絶対用法である。名詞ではない。英語では、フランス語の綴りをそのまま英語風に読んだり、英訳・名詞化して noble obligation とも言う。(wikiより)

これら新しい猶太人エリートは伝統的欧州人の米國の多数派に共感を抱いてないばかりでなく、彼らは積極的にそれを弱体化しようと取り組んでいる。E・マイケル・ジョーンズによると、彼の著書「猶太人の革命的精神と世界史へのその衝撃」(The Jewish Revolutionary Spirit and Its Impact on World History 2008年)の中で、猶太人は、特に1960年代の初め以来、全てのあらゆるこの國(米國)の反白人、反キリスト教運動の背後に居た。NAACP(全米黒人地位向上団体)は猶太人によって設立された。公民権運動は、猶太人によって組織され助成された。更に性革命、ヒッピー運動、フェミニスト運動、同性愛の権利の促進、同性結婚政教分離運動(キリスト教への攻撃)、そして特に、多文化共生運動などもそうである。1960年代と70年代の所謂「フォークソング歌手」の多くは猶太人であったし、彼らの「フォーク音楽」は常に変わらず我々の伝統的な白人欧州文明に破壊的なメッセージを伝えていた。

1965年に、我々の移民法を首尾よく変えたのは猶太人であった。(ハート=セラー法で知られる。ハートとセラーはどちらも猶太人であった。)その改正法が、その時我々の扉を非白人・非キリスト教徒移民に開いたのだ。この新しい移民政策は全く文字通り我々が知っていた伝統的アメリカを悪く運命づけた。米國の白人多数派は、2~30年の内に少数派に転落すると予測されている。この人口動態の移ろいは、この國の性質を完全に変えるであろう、そしてそれは、良い方にではない。更に、猶太人は全く同じことを欧州にも行ない、そこで欧州の人口動態もまた、急速に変化した。支配的多数派の弱体化と多文化共生主義の振興は、「猶太人に良い」と見做されているのだ。それは、「分割して支配する」という古い計略である。今や米國に住むあらゆる異なった人種と宗教の集団が言い争っている一方で、我々の新しい猶太人エリートは、その権力をイスラエルと國際猶太を助成するために使っているのだ。

凡そ600万人と言われる米國の猶太人と600万人と言われるイスラエルの猶太人は、一緒に共謀して米國の大きな力と富を操り、支配して、それを國際猶太とイスラエル國家の利益に注いでいるのだ。米國の資金と技術がちっぽけなイスラエルで世界最強の軍事力の一つを築くために使われた。米國政府を支配する仲間の猶太人を通して働くことにより、イスラエルは殆ど我々の外交政策を、特に中東での政策を指図している。それは、我々米國の國益ではなく、イスラエルの國益を支持するために仕組まれたものである。イスラエルの覇権の企みを成し遂げるために、中東地域のイスラエルの競争相手(イラク、シリア、イランなど)を打ち負かすため、アメリカ軍もちっぽけなイスラエル國家のための代理軍隊として使われているのだ。加えて、莫大な金額が絶え間なく米國の納税者から承諾なしに吸い上げられ、イスラエルにつぎ込まれている。その金の一部がそこから、イスラエルの命令を忠実に実行する政治家の運動資金として米國に送り返され、そのようにこのお金の循環が衰えないで続くように保証されるのだ。このお金と米國の裕福な猶太人からの寄付がこの國の二つの政治政党両方の政治家への主な運動資金を構成している。下院議員や政治的官職者も次の選挙で勝ちたければ、誰も敢えてイスラエルの利益に反する言動はしない。運動資金は、断ち切られ、猶太人支配のメディアに誹謗中傷を受ける一方で、豊富な資金を持つ高く推薦された対抗馬がおもむろに表れて挑戦する事になる。しかし、単にイスラエルに反する事を話さないだけでは充分ではない。下院議員或いは他のどんな政治家でも、選挙に勝ちたければ、イスラエルイスラエルの利益に対する熱烈な支持を実際に表明する必要がある。それが、ベンジャミン・ネタニヤフが米下院で演説した時の奇妙な30回のスタンディングオベーションを説明する。

この様なあれやこれやの手段で猶太人のAIPAC(アメリイスラエル公共問題委員会)は完全に米國政府(下院も行政部門も両方とも)を支配している。そして、猶太人支配のニュースと娯楽業界も米國輿論を支配している。更に、最高裁の9人の判事の内、4人が猶太人である。猶太人は、自分たちが永遠の犠牲者で、非猶太人多数派による絶え間ない迫害や殲滅の脅しの下にある、と主張するが、彼らは、実際、議論の余地のない第二次大戦の勝者であり、そして、彼らは、その勝利の全ての報酬を刈り取ったのだった。彼らは今や、あらゆる場所を支配する。

                  ********

猶太人支配のソヴィエト連邦は自力のみでは独逸を打ち負かすことは出来なかったが、そこで、気づかなければならないのは、戦争は、独逸とソヴィエト連邦の間の戦争それ自体ではなかったという事だ。それは、独逸と國際猶太の戦争だった。ソヴィエト連邦は、その戦争の構成要素でしかなく、國際猶太の「代理」であったのだ。米國英國の有力な猶太人がこれら二國を共にソヴィエト連邦の側で戦争に引っ張り込んだ。独逸は勿論この、独逸に対して配置された、圧倒的な力の組み合わせに持ちこたえることが出来ず、そして独逸は滅ぼされた。

因習的な見識は、未だに独逸の破壊が西洋にとって災難であったという事が理解出来ない様に思われる。独逸は常に西洋キリスト教文明の重要な構成要素であり続けた。近代欧州の基礎を形作った舊神聖ローマ帝國の當に中心地であった。西洋キリスト教文明の中心核の國であった独逸に対抗してソヴィエト連邦と國際猶太共産主義と同盟し、米國英國は、西洋の事実上の自殺をもたらした。アドルフ・ヒトラー、西洋キリスト教文明の擁護者で戦争間時代の間(第一次大戦と第二次大戦の間)、猶太人主導の共産主義による完全な乗っ取りを防ぐ最も責任のあった人物、は、自殺に追い込まれ、ヒトラーと独逸の指導の下の欧州の偉大な希望は、彼らと共に死に絶えた。

戦争の結果は計り知れない。欧州の心と魂が戦争で完全に破壊されたように二千年に及ぶ蓄積された芸術、建築、文化、科学が煙となって立ち上ってしまった。欧州の経済は破産した。戦争で生き残った者は、何百万人も飢え死んだ。大英帝國が瓦解した。欧州に残ったうちの半分が猶太人支配のソヴィエト連邦支配下になった。そこで東と西の間の長い冷戦が続いて起こった。戦争の結果、西洋文明の進路は無限の可能性の文明から冷酷な崩壊の文明に変わってしまった。

20世紀の初め、白人は世界を支配していた。第一次大戦は、西洋文明に致命的な打撃を加えたが、欧州は、そこから復興できたかもしれなかった。しかし今日、破滅的な、しかし容易に避けることが出来た、第二次大戦から70年後、欧州白色人種は、結果としての絶滅の危機に直面している。出生率は、人口維持レベル未満でとどまっている一方で、非白人、非キリスト教徒の移民が四方から押し寄せている -欧州に於いても、米國に於いても、両方に於いて- 過去には同質であった人口を汚し、薄め、派閥化し、分割し、今や、その過程がもはや逆転できないところまで来ている。もしも彼らが言うように「人口動態が宿命だ」としたら、西洋の宿命は、崩壊であるが、一方、國際猶太の富は優性にある。彼らは今やすべてを支配している。所謂「良い」戦争は、西洋にとって非常に「悪い」終末の結果となった。チャーチルでさえ、最後にはソヴィエト側について独逸に対した英國米國の大きな間違いに気づいたのだった。戦争から長い時を経た演説で彼は、「我々は、間違って違う豚を屠(ほふ)ってしまった。」と言った。(完)

 

読者の皆様へ

これを以て「ドイツ悪玉論の神話」連載は終わりました。3月10日に連載を始めてから多くの方々にお読みいただき、延べアクセス数は一週間ほど前に一万人を越えました。偏に読者の皆様のお力添えと感謝しております。

この本に於けるベントン・ブラッドベリー氏の議論・主張を「陰謀論」と切り捨てて相手にしない人たちが多数存在していることを承知しています。その方たちに一言いいたいのですが、一体、この三か月余りに亙る連載の中で、ブラッドベリー氏の言説のどこが、悪意に満ちた解釋として理解される「陰謀論」なのか、反論があればぜひ指摘していただきたい。私が思うところを申上げると、数字に異論がある部分は学者の間で当然あると思われるがその事実認定と筋書きに於いて氏の偏見や思い込みによる一方的な主張はなく、あったとしても非常に些少であります。

どんな歴史的事実に関しても解釈というものが為され、その解釈の根拠が合理的に示されることにより、それは歴史的解釋若しくは所謂「定説」となり、やがては歴史教科書に載る、誰もが認める事実となりますが、それは歴史の眞實ではない可能性があります。

特に、西洋の17世紀以降のこの様な「正史の歴史観」には戦争の勝者による宣伝工作がそのまま歴史になり、もっと重要な、根拠の明白な事実が無視されたり、或いは最悪の場合事実認定はおろか、消し去られている歴史的出来事が数多く存在します。

歴史観がおかしいと、人類は筋道だった明るい未来に対する取り組みをする事が出来ません。そして、ここでブラッドベリー氏が指摘しておられる様に、そのような歴史観の狂った文明は程なく滅んでしまいます。

私がこの本を読んで強く感じたのは當にその部分で、それはそのままそっくり、二千七百年以上に亙って営々と築かれて来た我が国の現状にも當て嵌まることだからです。もうあと30年も経てば滅んでゆく我が身を思うと、将来の世代にどうしてもそのことを伝えなければならない、と言う使命感が体の底から恐ろしい「ふるえ」として沸き起こり、居ても経っても居られずに自分の能力も顧みず、翻訳した次第です。

日本は幸い、現状では未だ民族的破滅的な移民・人口動態は現象としては起きていませんが、日本民族自体の生殖が減退する一方で、安易な移民受容れの動きは加速しており、30~40年前の欧米と全く同じ状態です。つまり、このまま行くと、30年後には今の欧州と同じく、日本文明自体の存亡の危機に瀕してしまいます。今の若い世代に、絶対に同じ間違いを犯さないよう、肝に銘じてほしいと、心からお願いを申上げて、この連載を終えたいと思います。

三か月余りの間、ありがとうございました。あ、でもこれで終わるわけではありません。皆様のお力添えを頂いて是非、ブラッドベリー氏の歴史観を「迷える子羊」の日本人に全力で広めて頂きたく思います。

初回へ: ドイツ悪玉論の神話000   前回 ドイツ悪玉論の神話103

ドイツ悪玉論の神話 ~参考文献~