ドイツ悪玉論の神話041

彼らに解らせよう

彼らは、自分たちを見せびらかし、また、世界輿論に対抗する事を見せびらかしながら断固主張してきました。我々は、独逸に理解することを強制するように、世界輿論を提示し、組織してきました。ヒトラーと彼の愚民は海外で彼らがどの様に見做されているかを人民に知られることを許さないでしょう。我々は、我々に残されたただ一つの方法で彼らに解らせるのです。

ぞっとする事ではありますが、その動機の分析は、心理学的にも興味深い研究対象でありましょうが、恐れや臆病以外に何が、今當に行われている様に猶太人金融業者は独逸にお金を貸すように促すのでしょうか。ヒトラー政権が、世界を反猶太主義にしているその向こう見ずな、邪悪な宣伝工作の一部分は彼らの貸したお金に依るのです。その金で、彼らは、英國を、米國を、そして他國を占領し、そこに新聞社や支援団体を設立し、或いは、巨費を投じて彼らの悪名高き主義を広めているのです。

彼らがそのお金を自分たちが拒否した借金の返済に充てているという示唆は、侮辱に満ちた嘲笑と沈黙によってのみ、答えられているのです。その間にもその悪名高き(宣伝工作の)戦いは、減じる事無く益々激しさを増し、彼らを財政支援している猶太人金融家とそれを有効に監視する手段を持たない弱虫の永遠の不名誉となっているのです。

ヒトラー政権は當初から、猶太人を殲滅するために、排斥運動を悪魔の様に非難しています。その方法は、猶太人の店に張り紙を貼ることにより、独逸人に彼らと取引しない様に警告し、猶太人の店主を収監し、猶太人であるという理由だけで、ナチの親衛隊に守らせて何百人で通りを行進させることにより、彼らの多数が努力して取得した専門職から追い出すことにより、彼らの子供を学校から、そして労働組合から彼らを除外することにより、生計を立てるあらゆる道から締め出すことにより、彼らを劣悪な収容所に拘束し、飢えさせ、拷問する事により、正當な理由もなく彼らを殴打し、殺すことにより、そして、考え得る限りの想像もつかない、自殺のみが脱出の手段であるような、非人間的な拷問に訴えることにより、そして、全て、彼らまたは彼らの遠い祖先が、単に猶太人であったことの故に、そしてまた、全てが彼らを皆殺しにする公然の目的の為に、なのであります。

 

人類への訴え

この、有史以来最も悪辣な排斥運動に対する反攻として、我々は、全ての人類に逆排斥運動を仕掛けることを訴えています。この訴えは、理想主義と正義が未だ生きているとの信念と受け止められるでしょう。

正義のための手段として経済排斥運動を使用するのは何も新しい事ではありません。國際聯盟の規約にもこれらと一字一句違わず、反抗的な國家を従わせるためにその使用を明確に規定しています。その聡明な政治手腕と展望が文明世界の驚異であるルーズベルト大統領は、包括的な全國産業振興法案の下、労働がもっとその生産に対して富の公正な分配を受けられるように、資本と労働の関係の調整のための気高い構想を立ち上げられました。彼は、國民運動として全ての生産者・仲買人・小売で、法に協力しない業者からの不買運動をし、また、全國産業振興法に協力し、その「青い鷲」幟を立てた店のみから、買う事を約束して國内の消費者の協力を要請しようとしています。我々の臆病な友人にとってこれ以上高貴な先例は望むべくもないでしょう。

我々の目的についてのこの説明を以って、私は、その公共精神と善意の意図について、疑う余地がないのであります、しかしその判断に至る知恵に敢えて対抗して、全米猶太人委員会に訴えたいのです。臆病で無分別な先入観を捨て去り、積極的にこの排斥運動を推し進める様に、参加しましょう。我々にとって、後で言及する、聯盟への抗議を除いて、ただ一つの武器でありますから。

私は故意に全米猶太人議会の名をこの訴えに含めるのを差し控えました。何故なら、私は彼らの95パーセントが既に我々と共にあることに満足しており、また、彼らは、現在、海外の2~3の人間によって、正確に代表されていないからであります。今月に開かれるプラハでの執行委員会に先がけて、彼らは、これら偽りの指導者に向けて、明白にこの非常に重要な課題について彼らがとらなければならない立場を通告し、また、彼らが彼らの見方をあからさまに発表するか、さもなくば辞職するように要求します。彼らの一人は、一般に問題を起こす中心人物と見做されている人物ですが、欧州中で不和を広めるお気に入りの気晴らしをするパーティーをし、その場その場で排斥支援・排斥反対、若しくは関知しないことを表明しています。全て、その時の聴衆に応じて。しかし、常に、直截、間接に裏切りをもたらすのです。

 

これまでの進捗

今はまだその時ではないが、いつか、近い将来、これまで行って来た何段階かの事、そして既に進捗中の事、多数の國々で行なってきた経済排斥の驚きとともに満足すべき進展、について皆さんに報告できるように切に希望しております。英國米國に於いてはその方向に向けて相當の進展がありましたが、これら二國がアムステルダムで開かれた世界経済会議では最も遅れた國でまた、最も不充分な組織化しかされていなかったことを知って驚かれるでしょう。この会議では、正式な決議により排斥運動は全会一致で、熱狂的に規律投票で可決されたのです。

我々米國側での遅れは、資金の不足による部分と包含する領域が広大な事によります。しかし、この状態は直ぐに修正されることを期待し、望むものです。我々が断固説こうとしている教訓の実例は、全ての人類にとって計り知れない貴重なものなので、くじけない様にしなければなりません。

ここにいる皆さん、猶太人もそうでない人も、この聖戦にまだ参加していない人は、今ここで参加すべきなのです。独逸製の製品を買わないだけでは不充分なのです。独逸製品を売り、独逸商船や海運を利用している全ての商人や商店との取引を拒否しなければなりません。

情けないことを言わねばなりませんが、我々の中にも少数の、幸運にも少数であるが、少数の猶太人は、威厳と自尊心に欠けているために、彼らや彼らの仲間の乗客をもてなす人間の軽蔑に会い、侮辱されるであろう独逸の船で旅行するのです。彼らの名前は、広く告知されるべきです。彼らは、民族に対する裏切り者なのです。

最後に、もう一度、この様に心温まる歓迎会への感謝と皆さんと、それに何百万の猶太人以外の友人の支援を以って、我々は、20世紀の文明を悪く言い、偽りを伝え、恥辱をもたらす為に醜い頭を上げて来た偏狭な考えと狂信主義の棺に最後の釘を打ち込むことの誓いを述べさせていただきます。

             -----(演説終わり)-----

 

アンターマイヤーの演説は、どの様な基準から見ても煽情的であり、誇張と大げさな表現と欺瞞に溢れていた。勿論それは、この時以来、独逸の敗戦に至るまで、単に典型的な猶太人のナチスに対する時事解説であったことの証明であった。猶太人は宣伝工作による戦争を仕掛けた。武装した兵隊に依らず、少なくとも、上述の通り、彼ら自身の兵隊に依らず。そして、このとき彼らは独逸に対して全面的な戦争を仕掛けていたのだ。これは、経済戦争であった。そしてそれは遂に数年の後に米國英國、ロシアの軍隊をして独逸に敵対する軍事の全面戦争に発展した。その頃流行ったジョークは、猶太の國歌は、「見よや十字架の*」(Onward, Christian Soldiers)の讃美歌に違いない、と言うものだった。

アンターマイヤーは、独逸の猶太人が日々晒されている「極悪非道な拷問、残虐行為」や「死よりも酷い恐怖」について述べているが、彼の熱に浮かされた想像を除いて、そのような事は一切独逸で起きていなかった。自らに対するほんの少しの、或いは想像上の困りごとや苦悩を激しく誇張し、騒々しくメロドラマ仕立てに抗議するのは、猶太人の文化的特徴である。彼らにはそれを顕わす「クベッチ」(kvetching)という言葉まである。

アンターマイヤーは、演説の前半部分で「我々が引き込まれた、人道の名において成される聖戦」と述べ、そしてこの主題について延々と展開している。彼は、猶太人を「世界の貴族」と述べ、そして、行動を促している。「ここにいる皆さん、猶太人もそうでない人も、この聖戦にまだ参加していない人は、今ここで参加すべきなのです。」と。そして彼の「聖戦」に参加したがらない猶太人を非難し、「彼らは、民族に対する裏切り者だ」と宣言している。

 

*「見よや十字架の」(讃美歌379番)歌詞

見よや、十字架の 旗高し
君なるイェスは 先立てり
進め、つわもの 進み行き
雄々しく仇(あだ)に 立ち向かえ
Chorus:
勇め、つわもの いざ勇め
十字架の御旗(みはた) 先立てり

 

(次回はユダヤ人迫害の神話についてです)

 

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